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22 May 2019

(9) サイトのリニューアル。

こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。


この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。


今日は、サイトをちょこっとリニューアルしました。

行動カウンセリングを受けておいで、とかかりつけの先生に言われたけれど、中身がよく見えなくて不安!

という方もいらっしゃると思います。


カウンセリングの中身について、「カウンセリングを受けようと思ったら」に詳しくまとめてみました。

初診の前に記入していただく質問票も、公開しました。

「PDFにしてくれたらそのまま書き込んでメールで送れるのに」

「もしかしてこの人、昭和生まれやからそういうことを知らないのでは?!」

そんな疑惑の声が聞こえてきそうですが。


半分はそういうところもございます。ええ。

ですが、一度紙に印刷して手書きで書く、これが結構大切なのではないかと思っています。


タブレットやパソコンを通して読む文章は、脳の「視覚野」付近だけが活動しているそうです。

一方で、新聞や本などの活字で文章を読むときは、脳全体が活動するのだそうです。

昨年の小学校のPTA講演会で聴いた内容です。


「書く」ときはどうなんだ?と気になりますが、そこまでは分かりません。

でもペンや鉛筆で紙に書くことは、面倒といえば面倒ですが、キーボードを叩いているだけの時より色んなことを思う時間になるのではないかと思います。


ですので、是非ご面倒でも、印刷をして書き込んで、それを郵便で送っていただきたいのです。

どのようなお気持ちで書かれたのか、そんなところまで想像しながらしっかりと読ませていただくところから、行動分析は始まっています。

受け取った個人情報は責任を持ってお預かりし、飼い主さんの許可なしに内容を公開することは決してありません。どうぞご安心いただきたいと思います。



そんなちょこっとリニューアルですが、その「カウンセリングを受けようと思ったら①」のページに掲載した、診断書の一例に登場したネコちゃんたちのお話を少しさせていただこう思います。


写真の二頭が、絵の中のAちゃんとBちゃんです。

3年前の春に、保護ネコの施設から引き取ったというネコちゃんたちでした。

施設では仲良くしているというお話だったのですが、お家に迎えてみたら若い去勢オスが高齢のメスを追いかけ回し、メスネコちゃんの方が足をいためてしまうほどでした。

若い子はそれ以外にも、調理中の飼い主さんの背中に飛び乗ったり、飼い主さんの布団で寝ていたメスネコちゃんと飼い主さんの間にわざわざ潜り込んできたり。

飼い主さんは一体どうしたもんでしょう、というお悩みを抱えてカウンセリングを受けにいらっしゃいました。


とても勉強家で行動力があり、さらに手先の器用な飼い主さんで、すぐに2段ケージを用意してキャットウォークをDIYで設置し、ご自分が留守にするときは二頭は隔離、在宅中はたっぷりと遊ばせるようにしてくださったおかげで、二頭の距離感は安定したものとなりました。


あれから3年、メスネコちゃんは年齢とともにネコちゃんに出てきやすい腎臓の病気になってしまいましたが、かかりつけの獣医さんがしっかりと診てくれていて、元気に過ごしてくれています。

今も定期的にお会いして、ほとんどお茶飲み友だちの飼い主さん(笑)。


そして、最初の問題は解決しましたが、今はメスネコちゃんが夜中お腹が空くと飼い主さんの腕を咬みにくるという問題が出ております。

でも食欲がないときは来ないんだよねえと咬み傷をさすりながら食事の催促にくるネコちゃんを見る目が本当に優しくて、じゃあしょうがないねえなんて言っている今日この頃です。


現在の問題行動の解決策ですか?

そうですね、最初試していただいたこともありましたが、教科書的には、霧吹きや空気がシュッと出るようなものでびっくりさせたり、夜中に起こしに来られないようにケージで寝てもらったり、でしょうか。


咬む→飼い主さんが起きてごはんをくれる

という流れができてしまうと、ネコちゃんの行動は強化されていきます。


でもね。

咬まれるんですか?じゃあ閉じ込めといたらいいじゃないですか。

というのも、味気ない話です。

どういう気持ちで咬んでくるのか。

その理由がわかったとき、にっこり笑って、ネコちゃんが辛くないなら良いんです、今のままで、とおっしゃる飼い主さんは驚くほどたくさんいらっしゃいます。


行動治療は、一例一例、様々です。

ゴールって、どこなんでしょうね。


私は、カウンセリングをしたら、たとえ一回で相談の問題行動が治ってしまったとしても、その子の一生涯にわたってゆるゆるとつながっていけたらと思っています。

雨が降ったら、いつでもまた雨宿りに来てください。



18 May 2019

(8) 置きかえてみると。

こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。


この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。


2週間ほど前の新聞記事です。

子育てのお話ですが、ちょっとこれを飼い主と動物との関係に置き換えつつ、読んでみてください。


ーーー

朝日新聞 journalM 2019/5/4

「勉強への意欲 高めるには」おおたとしまさ さん (「塾が教えない中学受験必笑法」)


ーなぜ子どもは「勉強しなさい!」と言わないと勉強しないのでしょうか。

まず、「勉強しろ」と言われたら、しないと思ってください。親だって気が向かない時に「洗濯は終わったの」「仕事はできた?」と聞かれたら、反発しませんか?人間とはそういうものです。

それを踏まえた上で、それでもなんとかしたいと思うのなら、子どものやる気が出るきっかけとしては、以下の4つが考えられます。

①勉強を始めるための「儀式」をつくる

②やる気がある子の集団の中でやる気が「感染」する

③「こうなりたい」と思える憧れの存在がみつかる

④当たり前にできることを褒められる


ー①の「儀式」とは

脳科学では、やる気はやり始めてから出るとわかっているようです。なので、まず始めることが大事。勉強を始めるためのルーティンみたいなものを決めておくと、毎回気合を入れなくてもスムーズに勉強を始められるようになると考えられます。

 

ー④は「子どもをもっと褒めるべきだ」ということ?

勉強以外のことでもいいので、その子が当たり前にできていることを見つけてそこを褒めてあげてください。マッサージで一箇所ずつ丁寧にツボを押すように一つずつ丁寧に。そうすることで、子どもは前向きな気持ちになり、初めてのことや苦手なことにも挑戦してみようかなと思えるようになります。


ーやる気は勝手には出てこないのでしょうか。

そもそも「やる気」とは?やる気がないとどうしてわかるのでしょう?


ー自分から勉強しない=やる気がない、では?

それって、子どものモチベーションが親が望む方向に向いていないだけなのに、「やる気なし」とレッテルを貼ってしまっているのではないでしょうか。例えばサッカーやゲームへの「やる気」はあるかもしれません。


ー確かに、子どもは好きなことにはものすごく情熱をかたむけます。

親にとって都合の良い「やる気」なんて、幻想だと思ってください。親の思い通りの「やる気」を出させることに必死になるよりも、子どもの心の中にある、表には出にくい好奇心や静かな情熱に気づいてやれる親になることの方がよほど大切です。それさえできれば、子どもは必ず自ら輝きます。


ー難しそう。気づいてあげられないかも…。

勉強好きな子が自ら進んで勉強するのは、ある意味当たり前です。でも勉強に苦手意識を持っている子が、それでも自分の目標のためにイヤイヤでも机に向かっているとしたら、それこそすごいことだと思いませんか?それを「やる気がない」と批判されたら、もう勉強なんて絶対にやりたくなくなりますよ。


ーそうは言っても、受験を控えて焦ります。

本人の「やる気」を待ってあげられなくなってしまうのが受験の弊害です。どうしても待てないなら、「やる気」にさせるのではなく、「その気」にさせるようにしてください。


ー「その気」にさせるとは。

端的に言えば「あなたの頑張りを見ているよ。それだけでもすごいよ」と励ましてあげること。頑張りと結果を切り離して考えること。そうすると子どもは安心できます。安心すると前向きな気持ちが出やすくなる。へこみそうだったらまた励ます。その繰り返しです。応援団みたいに。

ただし、あくまでも主役は子ども。応援団がでしゃばりすぎないようにしてください。

親が焦ってしまうのだとしたら、それはなぜなのか、親自身が胸に手を当てて考えるべき問題です。子どもの受験を通して、親も視野を広げたり、自分の未熟な部分に気付けたりすると良いですよね。


ーーー

いかがですか?

面白い記事だと思います。


子育て中のひとには、ハッとさせられる内容です。

やる気って、ものごとを始めてから生まれるものなんですね。

言われてみれば、そうかもしれません。

ちょっとのつもりでイヤイヤ始めた掃除が、いつのまにか大掃除になって抜け出せない、とか。ありますよね。


学習理論にもとづいた行動療法、動物を怖がらせない訓練は私の目指すところですが、この記事には、同じ視点がたくさんあると思います。

子どもの自発的な行動を褒める。

小さなことを見つけてあげられるように、よく観察する。

見つけたら、すかさず褒める。

簡単なようで、むずかしいことです。


でもありがたいことに、ペットに受験はありません。


私の姉が、二人の姪っ子の受験のさなかに、可愛い猫を3匹飼い始めて言った言葉がこれです。

「ネコには受験がないねんで〜!!」

幸せそうでした…。


わんちゃん、ねこちゃんの行動を静かに観察し、その行動いいね〜。というところで褒めて伸ばす瞬間を、待ってあげることができます。

難しい課題を押しつけることなく、行動反応形成を促し、わくわくを与えてあげることができます。

きっとそういう子は、自分に自信を持ち、過剰に怖がらず不安にちょっと強い子になると思います。




14 May 2019

(7) 恐怖症の体験談。

こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。


この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。


十勝では、5月といえば朝はひんやりしていますが、お天気がいいと陽が高くなるにつれてぐんぐん気温が上がります。風が強い日も多いのですが、今日の午前中は風も穏やかで自転車日和でしたね。

私の趣味は、自転車です。

プロフィール写真にちらりと写っていますが、こちらが愛車。

ライトウェイ グレイシアという、変速つきミニベロです。

雪がない時期には日頃の運動不足解消のため、時間があるときはなるべく車ではなく自転車で移動するように心がけています。


今日は病院に行ってきました。

自宅から病院まで片道7kmほど。25分もあれば着いてしまいます。

自転車で通院て、病気なの?元気なの?と言われそうですがこのぐらいの距離がちょうど良いと思っています。



前回、私自身も恐怖症があると書きました。

それは昨年発症したバセドー病と、甲状腺眼症の治療をするなかで経験したことです。

思えば、ちょうど1年前のゴールデンウィークがいちばんしんどい時期でした。手足の震え、微熱、動悸。そして結膜炎がひどく、ネコにもみられる甲状腺機能亢進症(バセドー病)なんじゃないかなあと自分でも見当をつけ始めた頃でした。

連休明けに病院に行って、血液検査の結果診断がつき、同時に眼科にもかかるようになりました。甲状腺の方は徐々にコントロールされていき、今は最低限のお薬を飲んでいてすっかり安定しています。

眼症の方は、月に一度、札幌から来る専門の先生に診てもらいながらステロイド治療など試しましたが、こちらはなかなか厄介な症状です。

眼の奥の筋肉組織などが腫れてきて、眼が出てきてしまうので、顔つきも変化しますし一時は気分がずいぶん落ちこみました。それに、複視といって視界がダブって見えるようになって、運転や仕事にも不安を感じるようになりました。それもあっての、自転車通院でしたね。

それが現在までに少しずつですがピントが合う範囲が戻ってきて、本を読んだり運転したりすることに問題ない程度まで回復してきたのは、昨年秋にうけた放射線治療の効果が大きいと思います。


甲状腺眼症の放射線治療では、眼の奥の組織に正確に放射線を照射するため、仰向けに寝た状態で頭を動かさないようにしなければいけません。

そのための固定具として、ひとりひとりオリジナルの「お面」を作ります。

温めると柔らかくなる樹脂製のネットのようなものを、仰向けになっている状態で顔面にぎゅっと押しつけ、冷えて固まったら出来上がりです。

翌日から10回続く照射のたびに、照射部位の印をつけた自分のお面を被せられて寝台に固定され、1、2分辛抱している間にその日の治療は終了、という流れでした。

CT検査などは何度か経験があって全然平気でしたし、放射線治療については獣医療でも行われることですのである程度の知識はあり、治療に対する不安は一切ない状態でした。

ところが、自分でも驚きましたが、問題はこのお面にありました。

仰向けに寝て、ぎゅっと温かいネットを顔全体に押し付けられた瞬間、隙間はたくさん空いていて呼吸は無理なくできるはずなのにどうにも息が苦しくなり、頭はパニック状態です。

暴れだしたいのを堪えるのが精一杯、自分でも訳がわからないまま手に持たされたナースコールを押して作業をストップさせてしまいました。


技師さんたちに手間をかけさせて申し訳ない気持ちと、経験したことのない恐怖感にかなり動揺しました。結局、口元だけ空間をあけるようにして再度作り直してもらうことになり、それでも怖かったのですがなんとか作成することができました。

翌日から照射が始まりました。

何度もストップしてもらい、起き上がって深呼吸。

必死に楽しげなアニメソングなんかを頭の中で歌いながらやり過ごしました。

これは、紛れもなく「恐怖症」という状態でした。

2回目を終える頃には、家にいても照射の時のことを考えるだけでドキドキして気分が悪くなるようになっていました。病院に向かうときにはすでに不安感しかありませんでした。


私は行動治療を得意としている獣医師です。

恐怖症について知っていましたし恐怖症のわんちゃんの治療もしていました。ですので、自分で認知行動療法を試してみたりしましたがどうしても恐怖感が拭い去れません。こうなると、恐怖を体験すればするほど悪化していくことを知っていましたので、医師にとりついでもらい、抗不安薬を処方してもらうことにしました。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬をもらい、朝飲んでから病院に向かうことになりました。

恐怖感は見事にコントロールされていました。

怖いのは怖いんです。

怖い、と思った時に起きるドキドキが、完全に抑えられていました。

怖いんだけど、あら?私ドキドキしてない。怖がってないみたい…

怖いのは怖いので、嫌なんですが、我慢はできる。という感じでした。



最終的に私が身をもって学んだことは、


①恐怖症を発症したときは、初動が大事。対処が早ければ早いほど重症化を防ぐことができる。

②即効性のあるベンゾジアゼピン系薬剤は、不安を効果的に抑制する。


ということです。

いずれも教科書で読んだことがあることですが、それを自分自身で体験できたということは貴重なことでした。


不安や恐怖は、動物が生きていくために必要な情動ですので、進化の過程でしっかりと保存され、受け継がれました。

私たちが感じる不安や恐怖は、イヌやネコもまた同じように感じているはずです。そして同様に、恐怖症へと発展することになります。

その時に正しく診断し、薬を処方できるのは獣医師だけです。


みんなが当たり前に持っている恐怖や不安の反応。

その範囲を明らかに逸脱しているような行動がイヌやネコに見られたときには、ぜひご相談いただきたいと思います。



自分の体験をお伝えするために、持病の話になりましたが、今はすっかり元気な患者になっていますのでどうぞご安心ください。

通院の機会も健康づくりの機会ととらえ、せっせと自転車をこいでいます。




4 May 2019

(6) 風の強い日。

こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。


この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。


大型連休、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

昨日は、十勝では風が強かったですね。

十勝川沿いにお花見に行きましたが、帽子だけでなく、キャッチボールのボールまで風に流される勢いでした。


おむすびを包んでいたラップや敷物、テントまでが風に煽られてばたばた。

空は砂埃で白く霞んでいました。



私は独立する前から、十勝で行動カウンセリングを行ってきました。


リードのつけ外しを怖がって咬んでしまうダックスちゃん。

この子は飼い主さんが工夫して手作りした首輪で、うまく馴化をすすめることができて良かったね!となった後で再発。

うまくいっていたのに、どうしてだろうと念入りに診察して数日後、レントゲンで胃の中に石が入っているのが分かりました。

お腹の痛みで、攻撃行動が再発していたのでした。

手術で石を取り出したあとは、すっかり落ち着いてくれて、行動診療における身体検査の大切さを教えてくれたわんちゃんです。


パートナーのオス猫が亡くなってから、パートナーの代わりに家の内外でマーキングをせっせとするようになってしまったメス猫さん。

飼い主さんが丁寧に描いてくださった家の見取り図から、マーキングの理由がはっきりと浮き上がってきたこと。

また猫ちゃんたちのために模様替えをして、市販のキャットタワーなどを使わずに上手に棚を組み合わせてすてきな手作りアスレチックつきの専用部屋を作ってくださったこと。

お薬も使って、環境も整えてマーキングの原因となる不安のもとをとことん排除してもうすぐ1年、という頃に発情の季節がくると同時に頻度が増加。

初めは気が進まなかった避妊手術を、ここで決断していただくことになりました。

その後は玄関にうっかり出してしまった時だけしちゃうけど、いいんだ〜とおおらかに猫ちゃんと暮らしてくれていた上品なご夫妻を思い出します。


そして、先日お会いしたのが、2年のお付き合いになる雷恐怖症のわんちゃん。

3年前の夏に道路わきでガリガリに痩せていた仔犬を保護された飼い主さん。3年前の夏と言えば、北海道に台風が4つも5つもやってきた年でした。

そんな嵐のなか一人で何日放浪したのだろう、というわんちゃんでした。

家に連れてきて、飼うことになって、ようやく身体つきも健康的になったけど雨風、とくに雷に敏感に反応し、ドアに体当たりして逃げ出そうとパニックになってしまう状態がずっと良くならず、大変な思いをされているときに私のことを聞いて、わざわざ2つ隣の町までカウンセリングを受けに来てくださいました。

恐怖症は、脳の記憶に関わる部分と情動との間に回路が出来上がり、恐怖の条件を「思い出す」ことやパニック状態を経験することでさらに悪化することなどから、治療が難しいと言われています。

まずは怖いと思う状況で、ドキドキしないようにお薬を使いました。

それから、行動療法を試しつつ長く飲む抗不安薬も試しました。

先日お会いした時は、頓服のお薬の量やタイミングをそれこそ飼い主さんにしか分からないわずかな兆候から絶妙なチョイスで上手に使っていらっしゃる、というお話を伺いました。

飼い主さんの観察力、判断力、実行力の素晴らしさ。そしてわんちゃんに対する愛情の深さには心から感銘をうけました。


昨日のような風の強い日には、こういった恐怖症を抱えた子が震えていないかな、と気になります。

落ち着かなくなるなどの条件が決まっている場合には、早めにテレビやラジオをつけたり、気を紛らわせるような遊びをしたり、雨の音が響きやすい二階ではなく一階の奥の部屋で過ごしたりという工夫をすることで、恐怖症によるドキドキを繰り返し経験させることを防ぐことができます。

それでもパニックになってしまうときには、適切なお薬を処方してもらいましょう。悪化を防ぐためには、なるべく早い対応が望ましいです。

私自身も恐怖症がありますので、よくわかります。


今日はとりとめのない思い出話から、恐怖症の治療について触れることができました。次回は自身の体験とともに、引き続き恐怖症について書きたいと思います。






1 May 2019

⑸  クリエイターなひと

 

こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。

この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。


大型連休も中盤になりましたね。

本日から、令和元年となりました。

そんな節目に、我が家に久しぶりにペットを迎えることになりました。


ジャンガリアンハムスターの、「かいちくん」です。

数年前に買っていたことがあり、今回また長男の希望で新しい子を迎えることになりました。

サファイアブルーという毛色で、今はブルーグレーの毛色をしていますが、冬になると白い冬毛に変わるそうです。ちょっと楽しみ…。

名前の「かいちくん」は、漢字で書くと「改築ん」。改築の年ですので、それにちなんでということで。

みなさんが過ごしやすいクリニックになるといいなと思いながら、着工の日を待っているところです。


さて。

本日のタイトルは、クリエイターなひと。

クリエイターの佐藤可士和さんの本にあった言葉です。

クリエイターなひととは、「能動的に課題を見つけ、自分の頭で考えて行動し、解決できるひと」だそうです。


これを読んだ時、私はオオカミを思い浮かべました。

オオカミはアルファのオスと、つがいのメスとで群れを形成し、子どもオオカミを含めた家族単位でなわばりを守り、食糧を求めて活動します。

親オオカミにはクリエイターなひととしての資質がなくては、群れを守ることは難しいでしょう。


一方、ひとの家族にすんなりととけ込み、愛されるイヌは、そのオオカミを祖先とすると一般的に言われています。

ただ、進化の過程でイヌは「大人にならないオオカミ」という形態に落ち着きました。見た目の幼態化もそうですが、精神的にも未熟な子オオカミのままなのです。

ひとと暮らすために進化したイヌ。

彼らの順応性の高さ、賢さ、ひとの表情を読み取る能力は素晴らしく、伴侶動物としてとても高い適性を持って生まれてきた動物です。

しかし彼らは、一生涯リーダーを必要とするように進化してきたとも言えるのです。


問題行動が起きたとき、イヌはリーダーシップをとって自分を守ってくれるひとを求めているのかもしれません。


行動カウンセリングは、イヌを可愛がるだけではなく、冷静な目で彼らを観察し、導くことができる「クリエイターなひと」について考える機会にもなります。


客観視すること、反省、熟考、試行錯誤。

その先に、爽やかな十勝晴れが待っているのだと思います。


週末まで帯広はまたしばらく寒い日が続くようです。

やっと咲いてくれた桜を青空の下で楽しめる日を楽しみに、温かくしてお過ごしください。


1 Apr 2019

⑷ 正の強化の効能



こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。

この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、

日々感じたことなどを自由に書き綴っています。



 「正の強化」で動物が受けるいいことは、他にもあります。

と、行動が変わっていくしくみ 其の二 の終わりに書きました。


動物に「正の強化」:動物が自然に行う行動に報酬を与えてその行動の発現を促すトレーニングをおこなうこと

「イイコイイコ!」と良い行動をしたときに褒めることは、その動物に、なにかをするといいことがあると気づかせるきっかけになります。

その「いいこと」に飼い主さんが関わるということも、とても大切なポイントです。

このトレーニングを経験させることで、飼い主さんのそばにいると安心できることを動物が知り、リラックスして、

次のいいことがある時間までを楽しい気持ちで過ごすことができるようになります。


飼い主さんとの信頼関係の構築。

困った行動よりも、受け入れられる行動を増やす。


このような効能があるということを、其の二 で解説しました。



そのほかにも、「正の強化」でものごとを教えていくといいことがあります。


それは、「探索システム」を刺激することで、恐怖に打ち勝つ力がちょっとだけ強くなる、ということです。


「探索システム」とは、これから起こること、手に入るものに対して湧き起こるわくわくする情動です。 

「正の強化」のトレーニングは、動物にこのわくわくを起こさせます。


一方、「恐怖システム」という情動も、動物には備わっています。

動物は、身体的な脅威から精神的・社会的脅威にいたるまでなんらかの形で生存が脅かされるときに「恐怖」を感じます。

動物が自分の命を守るためにとても大切な情動なので、進化の過程でよく保持されてきました。


「恐怖システム」は、生きていくために非常に大切な情動ではありますが、ときとしてそのシステムが過剰に働きすぎると、日常生活に支障をきたすことになります。

これがいわゆる「恐怖症」という状態です。


ひとの精神医学では、「恐怖症」は過度の「不安」と「憂慮(心配)」がある状態です。

脳に、この「不安」の神経回路と「憂慮」の神経回路があると言われています。

ここがぐるぐると過活動を起こしている状態が、「恐怖症」の状態です。


「恐怖システム」が刺激を受けて、恐怖症の回路が活性化し、恐怖症のもとになる「恐怖条件づけ」が起こります。

一度この条件づけが頭に書かれてしまうと、そう簡単には消せないのです。

恐怖のタネやその経験が、記憶されてしまうからです。


「正の強化」のトレーニングによって「探索システム」が刺激されている動物は、この「恐怖システム」が抑制されると言われています。つまり、「恐怖条件づけ」が入りづらくなる、ということです。

これはとても大きな効能です。



私たちは人間ですから、ドーンと大きな音が突然聞こえても、ああ、今日花火大会だったっけ、と理解できます。

イヌやネコはそんなわけにはいきません。

え、何?なになに??ちょ、やめて!!!

そんな感情に支配されるのみです。

どこへ逃げれば安全なのかもわからない。恐怖で呼吸も心拍も速くなり、食べ物を食べる気にもなりません。

こうなってしまうと、自律神経の過剰な働きを抑えるお薬や、恐怖反応を抑制する神経を刺激するお薬などを使わないと行動療法もままならない状態になってしまいます。



「正の強化」のトレーニングをしてもらっていて、脳の「探索システム」がいきいきと活動していると、ほんの少し冷静になれるのかもしれません。

いいことがある条件である、飼い主さんの存在を意識できるからです。

そして、自分の身体を撫でてもらったりぎゅっと抱いてもらうことがリラックスにつながることを知っている動物は、自分自身のことも意識できます。不安な時はこうすれば良い、ということをわかっていれば落ち着いて行動できるのは、ひとも同じですね。



大きく2段階に分けられる行動療法の第1段階である「正の強化」によるトレーニングが、どのような効果を持つかをご理解いただけたかと思います。

このトレーニングの方法は、いろんな本や雑誌で書かれています。

すぐに始められることばかりですので、ぜひ試してみていただきたいと思います。


行動カウンセリングでも、もちろんこのトレーニングのお話はさせていただきますし、資料もお渡しします。

ただ、時々これがうまくいかない子がいるのも事実です。

ご褒美に食べ物を使うこと自体が問題行動の原因になる、ということもありますし、うまくいっているようで、実際はわくわくする情動が起きてこない子もいるのです。

トレーニングの中身に理論があるということを知っていれば、このような場合にも対処することができます。



今回は「恐怖症」についても少し触れてみました。

「恐怖症」は、行動療法の第2段階に進む必要がでてくる症状でもあります。

まだ「消去」についてとか、イヌやネコの本来の行動についてとか、書き留めておきたいことがたくさんあるのですが。

「恐怖症」の治療についても、書いとかないと。


まあいいか、自由勉強帳ですからね。ぼちぼちいきましょう。


15 Mar 2019

⑶ 行動が変わっていくしくみ 其の二



こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。

この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、

日々感じたことなどを自由に書き綴っています。



行動が変わっていくしくみ 其の一からのつづきを書きましょう。


賢いがゆえの問題行動。


こうしたら楽しいことが起こるのでは、と自ら試行していく意欲はなかなかのものです。

でも裏を返せば、彼らは自ら探し求めないと、そのような楽しみを得られないのかも知れません。

そこに介入の余地があります。



行動治療は、お薬を使った治療と、行動療法とを組み合わせておこないます。

行動治療は大きく2段階に分かれています。

第1段階は、主に〈正の強化〉を使ったトレーニングで

「学び方の学習」を入れていく過程です。

と、其の一 にも書きました。

その内容についてお話ししましょう。



イヌやネコが自然に行う行動の中で、飼い主さんが「コレ」と決めた簡単な行動、

たとえば、飼い主さんの目を見る、飼い主さんに近づく、などをしたときに

美味しいごほうびをあげたり、おもちゃを出して遊んだり、散歩に出発するなど

楽しいことをしてあげます。



ある決まった合図でその行動を促すようにしたいなら、「ミテ」や「オイデ」などの号令を決めたり、名前を呼ぶのも良いでしょう。クリッカーを利用することもできます。

こうして、動物が無理なく自然に行う行動に報酬を与えていくことを〈正の強化〉といいます。

動物は、いいことがあるとその行動を自発的にとるようになります。



そして、あるとき「気づき」ます。

なにかをすればいいことがある、ということに。

飼い主さんの近くに行けばもしかして?

目を見つめる時間を長くすると、もしかして?いいことが?



こうして、みずから自発的にさまざまな行動を試し、学習するようになります。

この気づきを、「学び方の学習」と言います(動物が幸せを感じるとき テンプル・グランディン著 NHK出版より)。




賢いいたずらっ子は、このことをすでに知っていますが、

「飼い主さんと関わる方がより楽しく報酬が大きい」こと、

そして飼い主さんの注目を得られることそのものが大きな喜びと感じるイヌやネコもいます。

このトレーニングを通じて学習意欲を刺激してやり、

行っても良い行動をほめて強化します。

一方で行って欲しくない行動は「消去」させるよう働きかけていきます。




このような「正の強化」は、もちろんひとに対しても有効です。

ある行動に必ず報酬が伴うなら、子どもも大人もその行動を行おうとするでしょう。

幼稚園などでは、子どもたちに自発的な行動を促す環境をつくり、ほめるという形で教育が行われていきます。



先生が絵本を持ってお部屋に来ます。

幼稚園の子どもたちなら、どうするでしょうか?

先生のお膝に座る子もいるでしょう。先生の前に広くスペースがあいていたり、

ござが敷いてあったら、そちらに座るかもしれません。

ござに座った子が、〇〇ちゃんえらいね、と褒められたら、他の子もまねをします。

そして静かになったら、先生が絵本を読んでくれるのです。



これが〈行動反応形成)であり、子どもは楽しい気持ちで行動を学習します。

一方、余談ですが小・中学校になるとこのようなやり方は少なくなります。

盗んだバイクで走り出したくもなるっちゅうねん、というやつですね。



行動療法の第1段階「正の強化」は、飼い主さんとイヌ、ネコとの関係の構築でもあります。

気持ちと行動はいつも強い関わりがあります。

動物の気持ちが楽しいもので、飼い主さんにとって「良い」行動を強化していくことは、動物にとっても幸せなことですし、飼い主さんと動物との結びつきを強くし、飼い主さんを楽にしてくれます。



「正の強化」で動物が受けるいいことは、他にもあります。

また、イヌとネコが本来どのような生活をしていて、どんな風に思考する動物なのかを知っておくことも、イヌとネコの今の暮らしを楽しくしてあげるのに役に立ちます。

あと、「消去」という言葉が出てきました。これもまた別の行動修正の手続きです。

その話は、またこの次に。


13 Mar 2019

⑵  行動が変わっていくしくみ 其の一



こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。

この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。



私には、小学生の子どもが4人おります。

動物行動クリニックを開業しようとしている私ですが

行動学の専門となれば、子育ても上手なんでしょうね!

と思われるかもしれません。

が、もちろんそんなことはありません。


まあ、下手です。

ふつうに怒鳴ったり手が出たり。

ぺちーんとやった際に息子の眼鏡がふっとんで壊れたときには、

叩かれる前にメガネはずしとき!とか言っちゃう始末…。

ええ、どうしようもないですね。




子どもが本を読んでいる。宿題をする時間になっているので、母親が促す、という場面。

よくあります。


母親:宿題やりなさい。(ボリューム低)

子ども:・・・。

母親:宿題やりなさい。(ボリューム中)

子ども:はーい。〈行動は変化しない〉

母親:宿題、やりなさい!!(ボリューム大)

子ども:はい!〈ようやくやる。〉


子どもは、やりなさいと言われると宿題をしますが、

本を読むことは楽しいのでなかなかやめられません。

なので、できるだけその行動を続行しようとします。

ですが、母親が大きな声を出すと最初はびっくりしたり悪いことが起こることを予想して、

言うことを聞くことになります。

繰り返すうち、子どもは母親の怒鳴り声に馴れてきます。《馴化》

より強い刺激(もっと大きな声で怒鳴られる)がないと、行動を変えさせることができなくなります。


一方母親にも、同じような行動の変容が知らず知らずのうちに起きています。

大きな声で促したら、子どもが行動を変えた。

という経験が、母親を強化しているので、母親の怒鳴り声に馴れてしまった子どもが行動を変えなかった場合、より強い刺激を試します。

そしてそれが成功すると、またその行動が強化されます。

こうして怒鳴り散らすお母さんの完成〜。



やっぱね!!!

子どもが強化したせいですやん。母親は自発的な行動を強化され、《行動反応形成》が起こっただけ。

悪いのは子どもですよ。




いやいや。そんな考えで自分を慰め?たとして、一体何の役に立ちましょう。

この話で言いたいのは、行動を変えさせようとしている人の方が、実は行動を変えさせられている、ということが実際よくあるということです。



このようなやり取りの中で、動物そして子どもによって

私たちの行動が影響を受けることもあるのです。

こうするといいことがあるかも、と試行錯誤を繰り返す意欲的な動物は、飼い主さんの反応を非常によく観察し、私たちは気づかないうちにイヌやネコにとって都合がいい行動をするように「強化」されていく、ということが起こってくるのです。


問題行動が形成される要因が、こういった思いもよらない飼い主さんとイヌ、ネコとの相互作用だった、ということがよくあります。



例えば、こんなイヌがいました。

テレビをつけようとすると、リモコンが見当たりません。

部屋を見渡すと、ぽちっと床の上に落ちています。あら、誰がこんなところに、と拾おうとすると、それを待ち構えていたわんちゃんにぱっと取られてしまいます。わんちゃんはリモコンをくわえたまま棚の前に座り、返してもらうために飼い主さんはおやつを与えなければならなくなります。


面白い遊びを発見した、とても賢いわんちゃんと優しい飼い主さんのほほえましい光景が目に浮かびます。

場合によっては、同じタイミングで攻撃行動が現れるイヌもいるので、そうなったら笑ってなどいられませんけれど。


飼い主さんの足に噛みついちゃうネコちゃんの動画を、先日セミナーで見せてもらいました。

飼い主さんがお風呂に行こうとすると、にゃーんと鳴きながら足元に来ます。

飼い主さんがいってくるね、と声をかけて足を動かすと、にゃん、と前足を出してカプッとすねに噛みつきます。

いたた、と言って飼い主さんが立ち止まります。そしてまた動くと、同じことが起こります。


このネコちゃんは、寂しがりやさんという性格も行動の要因だと思われ、診断に関してはまた別の話ですがこれら二つの例は、飼い主さんの行動がイヌやネコの行動形成に重要な役割を果たしていること、それから飼い主さんの行動もまた、イヌやネコによって誘導されていることがよくわかるエピソードだと思います。



行動治療は、お薬を使った治療と、行動療法とを組み合わせておこないます。

行動治療は大きく2段階に分かれています。

第1段階は、主に〈正の強化〉を使ったトレーニングで

「学び方の学習」を入れていく過程です。


「こうするといいことがあるかも」と自発的に学習をくりかえして問題行動に発展するイヌやネコには、すでにこの「学び方の学習」のシステムが出来上がっていると言えます。

そう。賢いからこそイタズラも多岐にわたり、飼い主さんを悩ませるというわけです。


「学び方の学習」とはなにか?

そして、このような子たちに有効な行動治療とはいかなるものでしょうか。

このつづきはまた次回に。







8 Mar 2019

⑴ 名づけ。



こんにちは。Jiu動物行動クリニックのむろいです。

この「Jiu勉強帳」には、獣医動物行動学に関わることや獣医学に関する覚え書き、日々感じたことなどを自由に書き綴っています。



最初のページには、クリニックのなまえのことを書こうと思います。


私は神戸出身で、阪神淡路大震災の年に受験し、帯広にやってきました。

それから約25年。ここ十勝で暮らした年数の方が、故郷で暮らした年数を上回ってしまいました。


ここ、帯広市がある十勝というところは、年間の日照時間が日本一と言われるほどお天気の日が多いところです。「十勝晴れ」という言葉があるぐらいです。

最近は蝦夷梅雨、などと呼ばれる雨続きの季節もありますが、冬は特に雨の少ない十勝です。


そんな農業王国十勝で、イヌとネコの行動クリニックを開設するにあたって、

「雨」という気象に思いがいたりました。



Jiuは、「慈雨」です。

いつくしみの雨です。



ともに暮らす楽しい毎日を想像してイヌやネコをお家に迎える気持ち。

それはすっきりと晴れた十勝晴れの気分かもしれません。

突然の困った問題行動の出現。

それは、いつやむともしれない、嫌な長雨みたいなものかもしれません。


そんな雨も、あがってみればまた上天気。

ああ、めぐみの雨だったのかもしれないなあ。

雨降って地固まる、って言うじゃない。

困った行動がでてきて、それを治す方法があって、色々頑張ってみたおかげで、

イヌやネコがどういう動物なのかを深く知ることができたよ。

そして以前より、もっとイヌとネコが好きになったよ。


行動クリニックで、そんな風に思っていただけるお手伝いができたら、という思いを込めて、「慈雨」動物行動クリニックというなまえにしました。


なぜ「Jiu」にしたのかというと。

画数が良かったからです…。



さて、次回からは、動物の行動についてのお話を少しずつ書いていこうと思います。

徐々に、私の関西人気質がみえ隠れしてくると思います。

お楽しみに。

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